天山遯
てんざんとん

一歩引いて、間合いをとる時

今のあなたの周りには、前に出て押し進めるより、そっと身を引いて、距離をとったほうがいい——そんな空気が流れているようです。

山の上に天があって、その天はどんどん遠ざかっていく。引くことでかえって物事がうまく収まる、そういうイメージですね。

合わない場所から離れたい時、無理な争いから手を引きたい時、なんとなく潮時を感じている時に、この卦はよく出ます。

ただ、その「引くこと」がきれいな撤退になるか、それとも逃げ遅れて痛手を負うかは、あなたが今どの段階にいるかで変わってくるんです。

だから、この先の「今いる段階」が、いちばんの答えになりますよ。

あなたが今いる段階

上九(じょうきゅう) ― いちばん最後の段階

ひとことで言うと
何のしがらみもなく、ゆとりをもって引ける最高の段階。妨げは何もありません。
今は、こんな時
「肥(ゆた)かに遯(のが)る」——余裕たっぷりに、心残りひとつなく、すっと身を引ける時です。誰にも縛られず、惜しむものもなく、晴れ晴れと次のステージへ。長く務めた場所をきれいに離れる、しがらみを全部清算して自由になる、引退や卒業を晴れやかに迎える。そんな、軽やかな心当たりはありませんか?原典も「何ひとつ不利なことはない(无不利)」と言い切っています。
とるべき行動
もしそうなら、安心して、ゆったりと引いていい時です。後ろ髪を引かれる必要はありません。むしろ、未練を残さず軽やかに去ることが、いちばんいい結果を呼びます。新しい場所へ、のびのびと踏み出してくださいね。
気をつけたいこと
これ以上ない良い引き際ですから、わざわざ自分から心配ごとを作らないこと。「本当にこれでよかったのか」と振り返りすぎず、得た自由を素直に楽しむ——それが、この最高の流れを生かす道です。

いまの気がかりを、天山遯に重ねて、
もう少し、一緒に読み解いてみませんか。

もう一度占う

天山遯という卦を学ぶ(卦辞・爻辞と六つの段階)