仕事で読む六十四卦

易の案内人・玄

仕事のことで易を立てるとき、最初にお伝えしたいことがあります。 易は、「転職すべきか」「辞めるべきか」に○か×で答える道具ではないんです。分かるのは「いま、あなたの仕事がどんな流れの中にあるか」と「それは動く時なのか、待つ時なのか」。決めるのはあなた自身——でも、流れが分かっていれば、ずっと決めやすくなると思いませんか。

ここでは、六十四卦それぞれを仕事の場面——転職、職場の人間関係、独立や新しい挑戦——で読むとどうなるかを、僕なりにまとめました。占いで出た卦のページから、あるいは気になる卦から、読んでみてください。

  1. 1 乾為天(けんいてん) 勢いが満ちる攻めの時。ただし力の出しどきの見極めがすべて。
  2. 2 坤為地(こんいち) 受けて支えて、じっくり実らせる時。先頭に立つより、二番手の強さを。
  3. 3 水雷屯(すいらいちゅん) 立ち上げの産みの苦しみの時。一人で突っ込まず、味方と土台を先に。
  4. 4 山水蒙(さんすいもう) まだ手探りの、学びの時。知ったかぶりより「教えてください」が最強。
  5. 5 水天需(すいてんじゅ) 機が熟すのを待つ時。焦らず力を蓄えた人が、いちばんいい形で渡れます。
  6. 6 天水訟(てんすいしょう) 意見や利害がぶつかりやすい時。白黒つけ切らず、途中で収める人が勝つ。
  7. 7 地水師(ちすいし) チームで挑む長期戦の時。規律と段取りを固めた人が、最後に勝つ。
  8. 8 水地比(すいちひ) 人とつながって進む時。誠実な人に縁は集まる、ただし様子見の出遅れには注意。
  9. 9 風天小畜(ふうてんしょうちく) 成果の一歩手前で足踏みする時。押し切らず、小さく蓄えた人がいちばん先に実る。
  10. 10 天澤履(てんたくり) 虎の尾を踏むような緊張の場を渡る時。礼儀と慎重さが、そのまま通り道になる。
  11. 11 地天泰(ちてんたい) 上下がかみ合い、物事が通る追い風の時。良い流れは「保ち方」と「次への備え」で決まる。
  12. 12 天地否(てんちひ) 何をやっても通りにくい停滞の時。押して消耗せず、明ける時への仕込みを。
  13. 13 天火同人(てんかどうじん) 仲間と組んで大きく進める時。内輪に閉じず、開かれた協力が追い風になる。
  14. 14 火天大有(かてんたいゆう) 実りが大きく集まる豊かな時。誇示せず誠実に扱えば、さらに伸びる。
  15. 15 地山謙(ちざんけん) 低く構えるほど通る時。誇らない実力者がいちばん強い。
  16. 16 雷地豫(らいちよ) 勢いがわき、人を巻き込んで動き出せる時。浮かれの出しすぎにだけ注意。
  17. 17 澤雷随(たくらいずい) 流れに乗ることで進む時。「誰に・何についていくか」の見極めがすべて。
  18. 18 山風蠱(さんぷうこ) 溜まった問題に手をつける立て直しの時。段取りよく直す人が評価される。
  19. 19 地澤臨(ちたくりん) 仕事が上り調子で広がる時。ただし勢いは永遠ではない——誠実さで長持ちさせて。
  20. 20 風地観(ふうちかん) 動く前に、よく観る時。あなたの仕事ぶりも見られています——まず足元を整えて。
  21. 21 火雷噬嗑(からいぜいごう) 仕事の障害を噛み砕いて通す時。曖昧にせず、けじめをつける人に道が開く。
  22. 22 山火賁(さんかひ) 見せ方が効く時。ただし勝負は小さく、最後は飾らない中身がものを言う。
  23. 23 山地剝(さんちはく) 積み上げたものが削られる下り坂の時。攻めずに核を守った人に、種が残る。
  24. 24 地雷復(ちらいふく) 流れが戻り始める再スタートの時。芽は小さい、でも向きは確かに前。
  25. 25 天雷无妄(てんらいむぼう) 小細工なしの誠実さが通る時。ただし計算ずくで仕掛けると裏目に。
  26. 26 山天大畜(さんてんたいちく) 実力を大きく蓄えてから挑む時。ためた人ほど、大きな川を渡れる。
  27. 27 山雷頤(さんらいい) 何で自分を養うかが問われる時。人をうらやむより、自分の食い扶持を育てて。
  28. 28 澤風大過(たくふうたいか) 荷が重すぎる非常の時。一人で支えず、支えを足して進めば通る。
  29. 29 坎為水(かんいすい) 困難が重なる時。一発逆転を狙わず、誠実に小さく渡る人が値打ちを残す。
  30. 30 離為火(りいか) 明るく燃えて人目を引く時。火力の出しすぎより、長く灯す設計を。
  31. 31 澤山咸(たくざんかん) 呼吸が合う相手と通じ合う時。縁は良し、ただし先走りと口先は禁物。
  32. 32 雷風恒(らいふうこう) 続けることが力になる時。ただし惰性の継続と、実りある継続は別もの。
  33. 33 天山遯(てんざんとん) 押すより引くのがうまくいく時。引き際の美しさが、次の道を決める。
  34. 34 雷天大壯(らいてんたいそう) 力が満ちる勢いの時。問われるのは強さの量ではなく、使い方の正しさ。
  35. 35 火地晋(かちしん) 朝日が昇るように認められていく時。焦らず、でも貪らず、明るい場所で進む。
  36. 36 地火明夷(ちかめいい) 実力が正当に評価されない時。今は光をしまって、芯と記録を守る守りの時。
  37. 37 風火家人(ふうかかじん) 足元のチームを整える時。外へ攻める前に、役割とけじめの整備がいちばん効く。
  38. 38 火澤睽(かたくけい) 意見や方向がすれ違う時。大きな話は通らなくても、小さな一歩なら通る。
  39. 39 水山蹇(すいざんけん) 押すほど詰まる足止めの時。退く勇気と、人に頼る素直さが出口になる。
  40. 40 雷水解(らいすいかい) 行き詰まりがほどける雪解けの時。片づけものは早く、済んだら深追いしない。
  41. 41 山澤損(さんたくそん) 先に差し出す人が後で実る時。ただし削りすぎず、出す量に線を引いて。
  42. 42 風雷益(ふうらいえき) 伸びる追い風の時。大きな挑戦ほど向いている。ただし取りにいく側に回ると濁る。
  43. 43 澤天夬(たくてんかい) 溜まった問題に決着をつける時。押し切りではなく、正面から手順を踏んで。
  44. 44 天風姤(てんぷうこう) 思いがけない話が舞い込む時。良い芽か危うい芽か、乗る前の見極めがすべて。
  45. 45 澤地萃(たくちすい) 人と仕事が集まってくる時。輪の中に出ていく人に、流れはちゃんと通る。
  46. 46 地風升(ちふうしょう) 一段ずつ確実に昇っていける時。段飛ばしをしない人がいちばん遠くまで行く。
  47. 47 澤水困(たくすいこん) 行き詰まりの時。筋を通して耐える人に、道はちゃんと通る。
  48. 48 水風井(すいふうせい) 変わらず人を潤す井戸の時。腕を澄ませて、最後の一汲みまでていねいに。
  49. 49 澤火革(たくかかく) 仕事の形を作り変える変革の時。機が熟してから動けば、悔いは消える。
  50. 50 火風鼎(かふうてい) 古いやり方を入れ替え、じっくり煮上げる時。原典いわく大いに吉、ただし荷の重さだけ正直に。
  51. 51 震為雷(しんいらい) 突然の衝撃に揺さぶられる時。驚いても、手元の大事なものは落とさずに。
  52. 52 艮為山(ごんいさん) いったん止まって整える時。止まり方が正しければ、とがめはない。
  53. 53 風山漸(ふうざんぜん) 一段ずつ確実に登る時。順序を守った歩みが、いちばん崩れない。
  54. 54 雷澤歸妹(らいたくきまい) 順序と立場が乱れやすい時。勢いで進む前に、役割と条件の確認を。
  55. 55 雷火豐(らいかほう) 仕事が真昼のように盛り上がる時。明るいうちに、次の種まきと感謝を。
  56. 56 火山旅(かざんりょ) アウェイの旅の時。大きくは広がらないが、慎ましく丁寧な人はちゃんと通る。
  57. 57 巽為風(そんいふう) 風のように浸透していく時。小さな前進を重ねつつ、合わせすぎない芯を。
  58. 58 兌為澤(だいたく) 会話と人当たりが武器になる時。楽しさに、正直さを一本通すこと。
  59. 59 風水渙(ふうすいかん) 停滞がほどけて流れ出す時。散らすのは私心と内輪意識、大きな一歩には追い風。
  60. 60 水澤節(すいたくせつ) ほどよい線引きが仕事を通す時。ただし我慢のしすぎは続かない。
  61. 61 風澤中孚(ふうたくちゅうふ) 飾らない誠実さが信頼になる時。中身が本物なら、大きな挑戦も渡れる。
  62. 62 雷山小過(らいざんしょうか) 大勝負は控え、小さな仕事を確実に。低く飛ぶ人がいちばん強い時。
  63. 63 水火既濟(すいかきせい) やり遂げて整った完成の時。ここからは「保つ仕事」が本番、油断だけが敵。
  64. 64 火水未濟(かすいびせい) あと一歩、まだ途中の時。道は通じている、最後の詰めだけ丁寧に。

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